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【後編】メルセデス・ベンツ「S450」搭載技術について解説してみる

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先日公開した前編に引き続きメルセデス「S450」に搭載されている技術について説明させていただきます。今回は48Vマイルドハイブリッドを始めとした電動化技術について書かせていただきます。

説明が未熟な部分や主観的な内容が含まれていることもあるかと思います。ご指摘していただければ更新いたしますのでどうぞよろしくお願いします。

 

前編はこちらです↓

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48Vマイルドハイブリッド

欧州ハイブリッドシステムとして今後主流となっていく技術です。

主な搭載目的は今後加速していく要素部品の電動化や自動運転技術を用いるのに必要な電力を確保することだと私は考えています。

48Vという電圧は高電圧を扱う日本のハイブリッドに比べ、感電に対する厳しい乗員保護設計を施すことなく搭載できることに加え、ハイブリッドシステムや電装部品を稼働させられるだけの十分な電圧である非常にメリットの大きい数字です。

 

S450ではこのシステムをベースに以下の機構が組み込まれています。

ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)

電動エアーコンプレッサー

電動ウォーターポンプ

順に説明させていただきます

 

ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)

最近では欧州車以外にもスズキやスバルでも搭載されている車種が増えてきていますよね。おそらく世間的に認知されるようになったきっかけはホンダのハイブリッドシステムであるIMAかと思います。

その構造はオルタネーター1)スターター2)の機能も兼ねた電気モーターという超シンプルなもの。機能に関して言えばモーター機能付発電機というその構造通りの機能に落ち着きます。一般的なISG搭載車は、ISGをエンジンとギアボックスの間に搭載することにより、停止状態からの発進や低速加速時、アイドリングストップからの再始動といったときにモーターとして動力をアシストさせています。また減速時には回生エネルギーにより発電を行います。この回生エネルギーによる発電は、従来の12V電源システムではできなかったのですが、48VマイルドハイブリッドシステムとISGの搭載により効率的に行うことが可能になりました。S450ではさらに1kWhという大容量のリチウム電池を搭載しているため、余裕をもった走行アシストができますし、回生による発電もより効率的に行うことができます。

構造としては非常にシンプルですが、各種補機類に用いる電源の確保、走行アシストなどその機能は多岐にわたるため、ベンツSクラスの商品価値を考える上で非常に重要ですね。

 

 

用語説明

1)オルタネーター

交流電流を生成する発電機のこと。運動エネルギーを電気に変換することができ、構造はモーターと同じ。電気を流すことで運動エネルギーを生成し、モーターとしても機能させることもできる。

2)スターター

エンジンを始動させるためのモーターのこと。

 

 

電動エアーコンプレッサー

空調部品のひとつです。

通常、クーラー使用時にはエンジンの動力を元に駆動させているエアーコンプレッサーを電力により駆動させることで、クーラーのためにエンジンを無駄に動かすことがなくなるので燃費が向上します。

またエンジンの回転数を抑えられることは車内の静粛性向上に繋がり、ラグジュアリーカーに重要な高級感にも良い影響を与えます。

近年では十分な電源が確保されたハイブリッドカーへの採用が多く、ハイブリッドカーのもつエコなイメージと静かな走りにも寄与しています。

電動ウォーターポンプ

冷却系部品のひとつです。前述の電動エアーコンプレッサーと同様に、エンジンの動力を元に駆動させていた部品を電力により駆動させることで燃費や環境性能の向上を狙ったものになります。

ウォーターポンプは通常はエンジンの駆動力を使って冷却水を循環をすることで、エンジンの冷却や暖房への熱の取り回しなどを行っています。しかしエンジンの駆動力に依存した冷却水の循環はエンジン出力を浪費する上、冷却を事細かに制御できないためエンジンが過冷却か冷却不足かのいずれかの状態になっていることが多く、効率的な冷却とはいえません。

電動ウォーターポンプはエンジン回転数に影響されること無く、冷却水を一番効率良く循環させる事が出来る為、エンジン負荷を軽減し、エンジン出力の向上や燃費向上にも貢献します。

またエンジンの回転数を抑えられることは車内の静粛性向上に繋がり、ラグジュアリーカーに重要な高級感にも良い影響を与えます。近年では十分な電源が確保されたハイブリッドカーへの採用が多く、ハイブリッドカーのもつエコなイメージと静かな走りにも寄与しています。

終わりに

S450に搭載されている48Vマイルドハイブリッドをベースにしたシステムはエンジンのコンディションを整えたり、運転者のサポートをしたり、高級感を演出したりとどれもがSクラスを構成する要素として重要なはたらきをしています。

エンジンは静粛性、運動性能、スペース効率を突き詰めており、電動化部品はエンジンや運転者のサポートをし、自動車をさらに上質なものにしています。

これほどまとまりのよいシステムは既存の自動車で一番かもしれませんね(コストはともかくとして)。

さすがはラグジュアリーブランドの雄メルセデスですね。これからもメルセデスの動向を追っていこうと思います。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

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